中体連専用プレーモデル

地域部活動・少年団・サッカー

いよいよ週末に中体連。
先週末、強豪校との対戦に恵まれました。
結果は敗戦。
ですが、あえて特別な策を講じずに戦ったことで見えてきたものがありました。

このままでは通用しないこと。十分通用すること。
嬉しい発見は、
〇このままでは通用しないこと→戦略によりカバーできそう。
〇十分通用すること→個人のポテンシャルをはじめ、たくさんある!
これがわかったこと。

先週末のゲームを受けて、中体連用のプレーモデルができました。

チームで共有すべく、まとめてみたいと思います。

主な変更点

大きな変更点は2つ。

守備時の基本システムを1-4-1-4-1に変更。

これにより変わること

相手のサリーダ時、相手2センターバックに対して、自チーム1トップなので、同数ではめて奪いに行くことが基本的にはできない。
2センターバック間のパスラインを切りながらプレスをかけるというトップの動きになる。

〇自チームの中盤が3枚に。
前二枚をインテリオールと呼ぶ。
・後ろ一枚をピボーテと呼ぶ。
→インテリオールがより厳しく相手中盤につき、突破されたらピボーテがカバー、が可能に。
→相手中盤の選手がデスマルケで裏に抜けようとするとき、より躊躇せずマークでついていくことができるようになる。

攻撃時の基本立ち位置1-2-3-2-3に。

これにより変わること

〇中央に2トップがいないので、ピッチ左寄り中央のスペースへのデスマルケを、いなくなった左トップの代わりに、左インテリオール、左ウイングのいずれかが飛び出すことが必要。

ピボーテからのパスコースが、斜め前、斜め後ろ、横、縦、と、よりたくさん用意できる。
→ダイアゴナルのパス、縦パス、レイオフ、を使いながら、よりボールポゼッションがしやすくなる。

守備

守備の原理原則

初期配置を見て、自分のマーカーを番号で確認する。

自分のマーカーを注意しつつ、自分の背後にいる相手フォワードや、中盤中央の選手へのパスラインを背中で切る。

隣の味方選手との門を通されないように、中央によって守る。

プレスのスピードは緩急をつけて。行くときは猛然と行くように。緩急で相手を心理的に驚かせる。

守備のプレーモデル・初期設定

撤退時の立ち位置はピッチの中央1/3。
トップからセンターバックまでの距離30m。
ゴールキーパーはロングシュートで頭を変えられない程度に前に立つ。

プレス開始はペナルティーアークとセンターサークルの中間ラインから。
試合展開により調整。リトリート(引いて守り、カウンター狙い)の時は、センターサークルあたりまで下げる。

対サリーダ

トップの立ち位置は、どちらかのセンターバックによらず、中央付近に立つ。ただし、どちらかのセンターバックにボールを誘導したいときには、ややその選手を空けるように立つ。

サイドハーフは中央により、相手サイドバックをはじめはフリーにする。

インテリオールは、マーカー(相手ボランチ。キープレイヤーが多い)に狙いをつけておく。縦パスが入ったら厳しくプレスをかける準備をする。

相手のサイド展開のときは

相手サイドバックにボールが入ったときに、サイドハーフはギアを上げて相手サイドハーフから相手サイドハーフへの縦パスのコースを切る→「フタをする」。
相手サイドバックからセンターバックへのリターンパスを誘導する意識を持つ。

相手サイドバックが相手センターバックにボールを戻したら、トップはギアを上げて猛然とプレス。ここでボールを奪う。

相手がセンターバック間でパスをするときは

基本的には、トップが二度追いする。奪えなくていいので、サイドチェンジをされないように。ただし、相手のパススピードが遅いとき、心理的に圧力をかけたいときには、

「ジャンプ」をする→自分のマーク選手へのパスコースを切りながら、プレスする。マーク相手を「ジャンプ」する、ということ。
→相手の右センターバックには左インテリオールが、相手の左センターバックには、右サイドハーフがジャンプを狙う。

相手中盤中央へのパス時は

インテリオールは、アプローチを厳しく行う。センターバックへのバックパスを誘発させる。

後ろにはピボーテがカバーにいる。カバーリングを信じて躊躇なくいこう。

相手がフォワードに長いボールを入れてくるときは

ピボーテがトップへのパスコースを切るように立っている。ピボーテがパスカットを狙う。

相手の中盤、サイドの選手がデスマルケで裏を狙うときは

自チームのインテリオール、ピボーテ、サイドバックの、マーク担当の選手が自分のゾーンにとどまらず、マークでついていく。

対プログレシオン

ボールサイドにスライドして人数をかけて守る。

サイドハーフは、インテリオールの隣のスペースまで降りて、インテリオールのカバーリングができる位置取りをする。→今までは、逆サイドのサイドハーフが高い位置を取っていた方がカウンターができて有利だった試合が多かった。だが、強豪相手には、中盤の五枚が互いの距離を詰めて組織的に守ることが必要。

対フィニッシュ

ボールと、自分がマークすべき相手を両方視野に入れられるような体の向きを作る。

ここでも、相手のデスマルケに対してはマーキング!ボールの展開に目を奪われず、マークして相手の進路に入り、簡単に走られないようにしつつ、相手について走る。

ゴール前では相手と近い距離で守る。

守備から攻撃の切り替え

まずは、カウンターを狙う。ただ無理はしない。

インターセプトのファーストタッチがカウンターのパスになることも意識する。

無理にカウンターを狙わず、安全なボール保持のパスを選択する。

斜め前、斜め後ろのパスコースを常に意識して、安定的にボールを保持する。

攻撃

攻撃の原理原則

ボールがあるゾーンの数的優位を保つこと。

縦、真横よりも、斜め前、斜め後ろにサポートの立ち位置を取ること。

攻撃のプレーモデル・初期設定

1-2-3-2-3の立ち位置。

サイドハーフが幅を作る。サイドバックはペナルティーエリア幅を意識。

横パスよりも、縦パス、それも、二つ前の選手への縦パスを優先して狙う。

レイオフを使う。

斜めに攻める意識を持つ。

サリーダ・デ・バロン

サイドバックは一番外まで開かない。ペナルティエリアの幅を基準に立ち、外側への、サイドハーフへのパスコースを生み出すようにするとともに、中央へのパスも狙う。→今までは左の選手には言っていたが、右サイドバックもそのように動く。つまり、ボランチのようにプレーする。

両サイドハーフは、サイドバックがパスコースに詰まっているときは、開いた位置で下がりパスコースを作るようにする。→前進が成功した場合は、サイドハーフは最前線まで飛び出すので、頭の切り替えの早さが求められる。

トップは降りてこない。

特に右サイドハーフは、攻撃時なるべく高い位置を取らせたいので、右サイドバックは詰まってしまう前に
・ショートパスを中央向きに入れたり、
・早めに長いボールを斜めに入れたり、
・センターバックへのバックパスからロングボールを入れさせたりする。

プログレシオン

トップ・インテリオール・ピボーテの4名のダイヤモンドの立ち位置がボール回しの中心。それにGK/センターバック2枚がはいり、7名が「1-2-1-2-1」の立ち位置を取る。

狙いは「ライン飛ばしの縦パス」(例:ピボーテ→トップ/センターバック→インテリオールorトップ)。

レイオフを有効に使い、「前向きフリー」を作り出す。

スルーパスは、両サイドハーフのデスマルケ、トップのデスマルケ、左インテリオールのデスマルケを意識する。

フィニッシュ

スルーパス、デスマルケはダイアゴナル(斜め)に行う。

デスマルケは3歩の予備動作を入れ、その位置からまっすぐ走らないことを基本にする。

デスマルケのときは、相手に対して腕を使い、走るコースにはいられないようにする。

ゴール前、とくにファーサイドのゴール前に「現れる」ことを狙う!

最後に、…

一対一は、縦も、カットインも、勝てる!自分を信じる!!

その他

直前につき、その他の項目については記述を省略する。

おわりに

中体連全道レベルの相手と戦うことで見えてきた課題を、戦略でカバーするためにこのようなプレーモデルを考えました。

相手の2センターバックを2トップではめにいくことをあきらめる代わりに、中盤を3枚にしました。

それにより狙っているのは、
・中盤の人数を増やし、一人が突破されてもカバーに入れるようにする。
・相手の中盤の選手が2列目からの飛び出しを行っても、中盤の選手がマンツーマンでマークし、ついていくことをしやすくする。
・ボールを奪った瞬間や、前進時に、斜め前、斜め後ろにサポートを用意することによって、パスによる確実なボール保持がしやすくなる。

ということ。

いっぽう、前線の人数が変わったことで、いなくなった左トップは、左インテリオールが兼任する形になります。ですが、一人二役、と簡単には処理できるものではなく、右トップが時間を作るために全線でキープする時間をより生み出すことや、左インテリオールが低い位置にいるときには左サイドハーフが斜め前にデスマルケをすることも必要になります。

勝つためには、
・自分の役割をしっかりと遂行しながら、
・味方のために少しずつ早く判断し、場合によっては動くこと

が必要になります。

4月からずっと言ってきたこと。
このチームはいいチームです。
ポテンシャルは十分!

勝てるか勝てないかは、わからない。
でも、勝つためのベストは尽くせる!

今考えうる、ベストな戦術だと思い、この戦い方を提案しました。
みんながそれぞれの立ち位置でチームに貢献し、最高のゲームができるように準備してほしいと思います!

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