新しい学年のスタートがもうすぐそこまで来ています。
毎日の勉強は習慣化して、ストレスを感じることなく、できることなら少しでも楽しく、
また短い時間で効率化して行いたいものです。
今日は英語の勉強方法として、教科書ガイドを使う利点についてお伝えします。
教科書ガイドとは
教科書の内容を詳しく説明した市販の参考書のことです。
教科書会社はいくつかありますが、それぞれの教科書に対して教科書ガイドを作っている会社は一つずつなのかな?詳しくは違うかもしれませんが、ざっと見たところ1つの教科書に対して1つの会社が教科書ガイドを作っているように見受けられます。
英語の教科書ガイド
各教科に教科書ガイドはあるのですが、英語に絞ってどういったものかをお伝えしますと、
教科書の内容に加えて以下の内容が書き加えられたものです。
・新出単語の発音のガイド(ひらがなカタカナで読み方のニュアンスを伝えたもの)
・本文の読み方のガイド
・新出単語、熟語の意味。教科書には巻末に載っているものが本文のページに書き加えられています。
・本文の日本語訳。
・キーセンテンスについての解説→キーセンテンスとは、そのページで特に重要な表現です。新しく出てきた文法を含んでいる本文中の表現であることが多いです。そのキーセンテンスの開設が乗っています。
・キーセンテンス以外の、英語の言い回し、表現方法を取り上げ、解説。
・1つの単元が終わるごとの練習問題。教科書によってユニットと呼んだりレッスンと呼んだりしますが、それら単元が終わったタイミングでの確認問題が載っています。
以下のようなものが載っています
教科書ガイドについての議論
教科書ガイドについては賛否があります。
反対派の意見
反対派の意見としては以下のようなものがあります
・授業の内容を先に全部知ることができると、授業に興味をもって参加できなくなる
・英語の授業はできるだけ英語ですべき。日本語訳を渡さない方がいい。
・教科書に載っている問いかけや問題についての解答例が載っているので、それを見ることで考えなくなってしまう
異論がある中で教科書が入るを私がおすすめする理由
反対派の意見にも一理あると思っております。
私自身は現役の頃教科書ガイドを使ってはいませんでした。
教科書ガイドを使うのはずるいこと、という意識が何となくあったような気がします。
それもあり、ずっと、教科書ガイドは必要ない、と思ってきました。
ですが、一昨年度から学習サポートを開始して子供たちの学習実態を見るにつけ、
教科書ガイドは非常に有効な道具であると今では考えています。
理由は主に以下のようなものです
・日本語訳はあらかじめ渡された方が、学習の全体像をイメージでき学習効果が上がる。
・単語の読み方がそもそもわからずに英単語を覚えようとしている子もかなりの数いる。そういった場合、そもそもどう読んだらいいかのわからない単語の、意味やスペルを覚えるということになる。
それでは、意味を知るにしてもスペルを身につけるにしても非常に効率が悪い。カタカナひらがなの読み方のガイドがあることで、単語の意味を覚えたり、スペルを覚える勉強がしやすくなる。
・教科書は、単語の日本語の意味が、教科書の本部のページには書いていない。巻末にまとめられている。単語の意味を知ろうとする時に本文のページと巻末を行ったり来たりするのがどう考えても非効率。教科書ガイドのように一覧になっているとかなりの時間短縮になる。
・教科書ガイドにはキーセンテンスについての説明があり、理解を促す。
・教科書でキーセンテンスとあげられている表現以外にも、英語の言い回しとして注意すべき表現を独自にピックアップして紹介している。こういった配慮が学習者にとって非常に有効。
…英語が得意であったり、英単語や本文の意味を授業を聞いただけである程度理解できる子は、教科書ガイドがなくても特に困るということはないのかなと思います。
ただそういった子にとっても、本文と新出単語の意味が1ページにまとめられている教科書ガイドは、学習効率を上げるのには役立つと思います。
さらに、英単語の読みがなかなか見つけられなかったり、本文の意味が理解できないといった場合は、なおさら教科書ガイドがあることでずいぶん勉強しやすくなると思います。
教科書ガイドは害にはならないし、使わない手はない!
というのが私の考えです。
【参考まで】教科書ガイドの是非論が論じられる背景にある、英語教育の動向
教科書ガイドの是非が論じられるには、教育動向が関係していると思います。
英語教育については、ここ数十年ずっと言われていることですが、生きて使える英語を身につけさせなければいけないという指摘があります。
従来の英語教育は受験を突破するための力は身につけさせるものの、社会に出た時に英語を使ってコミュニケーションが取れる形にまでは至っていないというのが現状と言えます。
そういった現状を打破するために英語教育には改革が求められているのです。
改革の方向性として、初めから文法や英単語の日本語訳などを求めてしまうのではなくて、
まずはたくさん英語に触れさせていく中で、英語の楽しさを感じてもらいつつ、生きた力を身につけさせようという考えがあります。
ですので小学校などでは、英単語を日本語に直させたりする問題などはあまり行われていないようです。実際に小学校6年生の教科書を見てみると、「習うより慣れよ」が教科書の方針であることは一目瞭然です。
この大きな流れから考えると、日本語訳をあえて提示しない方がいいという考えも、妥当性があるように思えます。
ですがここに1つ問題があります。
学習指導要領で理想としての英語教育像を打ち出したとしても、
・受験のシステム、
・学校での評価評定の付け方のシステム=定期テスト
これらは急にガラッとパフォーマンス重視の方向にはなっていません。
最近の定期テストの様子を見ると、かつてに比べて、
・リスニングの配点が3割程度になっていたり(昔は1割くらいでした)
・教科書本文そのままの長文問題を避けていたり、
・自分のこととして質問に対して答えるような問題が入っていたりと、
できるだけ現実世界の中で使えるような力を見取りたいという意図は感じます。
ですが、大きな意味で数十年前のペーパーテストの形式からは変わってはいません。
・リスニングがあり、
・語順を入れ替える問題があり
・穴埋め問題があり、
・長文問題があります。
これらの定期テストや、高校入試問題への対応を考えた時には、学習指導要領で示しているスタイルで学校の授業を受けるとはまた別に、従来型の勉強のスタイルも自分として持っていなければ対応できません。
つまり、
・日本語訳を正確に覚えているかどうか
・英単語や熟語の意味を正確に覚えているかどうか
・単語は書けるかどうか
といったものに向けての対策が依然としてかなりの比重を占めるということです。
教育は変わろうとしてるけれどもガラッと一気には変えることができないという現状が、
学校教育が向かいたいと思う方向と、でも中学生がテスト対策のために求められる勉強法との間におおきなひずみを生んでいます。
先生方が責められるべきではないと思います。
学習指導の改革の方向性も基本的には正しいのだと思います。ですが、受験システムが大きく変わらなければ、子供達の最適な学習方法も従来のものから大きくは変わらないのではと考えています。
まとめ。教科書ガイドを使って楽しく効率の良い勉強をしましょう!
以上見てきたように教科書ガイドを使うことで、学習効率を上げ、勉強を進めることができると思います。
教科書ガイドには、QR コードがついていて、動画や音声で本文を聞くこともできます。
同様の QR コードは教科書にも付いてはいますが、日本語訳と見比べながら英文に触れられるのは教科書ガイドの方です。
教科書ガイドが持っている利点を最大限に生かして、
・QRコードを使い、繰り返し英語を聞き、
・英文の内容を日本語訳で理解し、
・音声に合わせて本文をたくさん声に出していく
ことが非常に有効です。この活動が効果的であると、ここ二年間の学習指導を通して確信しています。
そして単語や本文の日本語の意味を教科書ガイドの1ページの中で一覧できることで、学習の効率が上がり、時間短縮にもつながります。
3000円前後の価格がしますが、その効果を考えた時には有効な先行投資になると思います。
先輩のものを譲り受けたり、メルカリやブックオフなどで手に入れたりすると0円から1600円で手に入ります。
英語の教科書ガイドを最大限活用して、楽しく英語学習を進めてほしいと思います!
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