国語教師ができる公務員試験対策

先日、知り合いの大学生(かつての教え子)から、

公務員試験の勉強を見てほしい

と言われました。

「できるかな~」

と思いながら、問題集を見せてもらいました。

すると…

心配は取り越し苦労でした。

「これは指導できる」

と思いました。

現役国語教師時代、研究していた言語技術のワザを使えば、いとも簡単に解けてしまう。

私は、教員採用試験しか受けたことがないので、公務員試験(今回は警察の試験)ははじめて見たのです。

そこで確信めいた仮説を立てました。

45分3回教えれば、文章把握の問題と小論文の書き方は十分指導できる!

ニーズがあれば、今後、事業化できるかもしれない。

実際に事業にするかはまだわかりませんが、知り合いですから、こちらの仮説検証につきあってもらうという意味もあり、無料で指導することにしました。

今日は、指導内容をほんのさわりだけ書いてみます。

今回初めて指導してわかったのは

・多くの受験者は、おそらく頭から順に詳細に読んでいって、内容を把握しようとしている

ということです。

そうですよね。

むしろ、それ以外の読み方なんてないだろう、と思うのではないでしょうか。

ところが、私としては、そのような読み方は、非効率的かと思います。

文章は、特に論理的に書かれた文章には、ある「型」があります。

その「型」を知っていることは、「文章を正確に理解するための道具」をもっているのと同じこと。

「文章構成の型に関する知識」のうち、ごく基本的な段階まででも知っておけば、

・論理的な文章を読んで理解できる

・論理的な文章が書ける

どちらも手に入れることができると思います。

文章をより「読める」「書ける」ようになるための「文章の型」の理解

基本的なところにしぼってお伝えすると、以下のことを知っておくだけでも劇的に変わります。

・文章は、「序論・本論・結論」からできている

・「序論」には、その文章で扱いたいテーマが示されるとともに、「結論」がすでに示唆されていることが多い。

・「結論」は、本論での説得の後に書かれるため、序論の「示唆」からさらに一歩踏み込んだ「筆者の主張」が描かれる。

あれ?本論の説明がないぞ???

とお気づきの方もいらっしゃると思います。鋭いですね!

本論については今回は書きません。それでもいいと思う理由があるのです。とりあえず説明を続けていきますね。

1 文章は序論・本論・結論からなる。

2 序論は、文章のテーマとともに結論が示唆されている(されていないものもあるが、それはそれで問題なし)。

3 結論には、一歩踏み込んだ結論、ややこしいですね。要するに一歩踏み込んだ筆者の主張(言いたいこと)が描かれる。

この3点は、ほぼ全ての論理的文章(ここでは試験に出るような論説的文章と押さえてください)に当てはまります。

ということは…

文章の内容把握は、

1序論を見る

2序論から、「この文章の話題はなにかな」を見つける

3序論から 「その話題に対してどういうオチ(結論)を言おうとしているかな」と考える。

とやった後で、

本論を読まない!

読まないで…

4結論を読む!

5結論から、筆者が最終的に言いたいこと を読み取る!

と進めばいいんです。

話題と、最終的な言いたいことがわかったら…いや、わからなくても自分なりに予測できたら…

6本論を読めばいいんです!

まとめます。

序論と結論を先に読んで、話題と言いたいことを掴んでから、本論を読もう!

とりあえず早く書いておきたくなったので、ごくごくおおざっぱに、文意把握のコツを書きました。

本論の読み方について、書いていませんね。

それほど珍しい技術はないのですが、簡単にお伝えすると、次の3点を意識しながら読めば良いでしょう。

①本論は、3つ前後のブロックに分けて理解する。

②「話題」と「最終的にいいたいこと」がわかっているので、

「どういう本論の話しの進め方で、結論の話しにもっていっているのか」

に注目しながら読む。

③※これはできなくてもOKかもですが

 ブロックとブロックの関係、いいかえれば話の展開のしかたに注意しながら読む

これだけできれば十分!

少し練習すれば、「文章を正確に把握する能力」が身につくと思います。

欲をいえば、短時間でも、指導してくださる方がいれば時間効率も上がると思います。でも、自分で意識して練習するだけでも、飛躍的な成長を実感できるはずです!

そして、この知識は、そっくりそのまま

・小論文作り

に転用できるのです!

本当はこういうことを授業で教えてあげたかったなあ。

点数主義の発想の世界では後回しにされてしまうけど、

将来にも直接生きる、生きた力だと思います。

まずは、知り合いの大学生の文章力をバグらせるべく、やってみたいと思います。

勉強を教えていて楽しいいいい!!!!

久しぶりに感じました。感謝!!

論理的な文章を読むとき、書くときの参考にしていただければ嬉しいです。

では、また!

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