国語の定期テストで、非常にやっかいなのが、文法。
今回は、「国語における文法授業の特徴」と、「勉強のしかたオススメ5選」についてお伝えします。
文法とは、「言葉に関するきまり」のこと
文法とは、「言葉に関するきまり」のことです。
小学校では、主語や述語、修飾語であったり、名詞や動詞、形容詞などを軽く勉強してきています。
中学校では、より専門的に勉強します。
文法は、年3回に分けて教えるようデザインされている
光村図書の国語の教科書を見ると、各学年、大きく三つのブロックに整理されています。
ただし、3年生は、1,2年生の復習の要素が強く、二つのブロックになっています。
テストの直前に授業で扱うことが多い
教科書の構成を見ていくと、大きな教材が三つ程度終わった時点で、「文法への扉」というページが出てきます。経験上、ちょうど扱うタイミングが6月上旬くらいになることが多いです。6月中旬前後に定期テストを実施する学校が多いですが、その場合、直前に授業で文法を教えてもらって、すぐテスト、となりがちです。
※ここに大きな落とし穴があります!
文法は難しい
文法は、難しいです。
文法には、諸説あります。「日本で定めている文法は、これです!」と決まっているものではないのです。どの学説を採用しているかで、教科書会社によって説明している内容に違いがあります。言葉のきまり(つまり文法)を、ある枠組みにあてはめて説明しようとしても、どうしてもうまく説明できない部分が出てきます。ある説明の仕方をするとAについては説明できてもBについては説明が苦しい、別の説明の仕方をすればA、Bについては説明できてもCについては説明が複雑になってしまう、というふうに、どこかで例外的なものが出てきて、説明が難しくなってしまうという特徴があります。
ですから、深く掘っていくと例外的なものにぶつかり、頭が混乱してしまう、という側面があります。
テストで、どれくらいの難易度のものが出るかは、教科担任の先生のお考えによる
文法は難しいので、テストを作る側としては、難易度の設定には気を遣います。
難しすぎると、解けないし、文法嫌いになってしまう。かといって、易しすぎると、知識や技能の定着を見取れない。そのバランスを適切なところに設定するよう調整するのです。
テストにどのレベル(難易度)の問題が出題されるかは、教科担任の先生のお考えしだいでかなり違いが出てきます。
勉強のしかたオススメ5選
授業を待たずに予習する。マンツーマンで軽く教えてもらえたらラッキー。
テスト直前に、頭を悩ませるような文法を新しく習う。これは、テスト対策を考えたときにけっこうやっかいです。文法は、時期を待たずに先に勉強できる分野です。授業を待たず、先に予習してしまうのがとってもオススメです。
完ぺきでなくてもかまいません。少しやっただけでも、ずいぶんと気が楽になるでしょう。多少間違った理解をしていても、授業で修正すれば問題ありません。授業を受けたときの理解度も、予習しないで受けたときと比べて格段に上がります。
もし、身近に、軽く説明してくれる人がいれば、ラッキーです。保護者の方や、お兄さんお姉さんなどにきいてみるといいです。文法を指導してきた実感ですが、40人に教えるなら1時間かかってしまう内容も、1人に教えるのなら10分程度ですむことがあります。
問題に取り組む。
どんな内容かをおおざっぱに理解したら、問題に取り組みましょう。ごくごく短時間でいいです。まずは教科書の問いを解いてみます。巻末の下段に少し載っています。解答がついていないのですが、自分が理解できているかのおおまかな感触はつかめます。その後、ワークなどでやってみます。不明点を学校で先生にサッと聞けたら、完ぺきです!
小テスト前に終わらせる。
文法テストは、小テストで扱うことも多いです。小テストと定期テストの両方に文法が出る場合、生徒は「小テストでだめでも定期テストでとればいい」と思いがちです。でも、これは多くの場合間違いです。想像以上に、小テストが評定に占める割合が大きい場合はあります。(詳しくはこちらの記事をご覧ください)小テストの前から準備して、小テストこそ満点近くとれるようにしましょう。それによって逆に、定期テストでのミスをカバーするくらいの意識が大事です。
どこまでやればいいかをリサーチする。
文法は、どこまでも難しい問題を作れる分野です。そのうえで、どれくらいの難易度の問題を出すかは、教科担任の先生のお考えしだい。
ですから、今回のテストで、どれくらいの問題を解けるようにしておけばいいか。それを知るには、教科担任の先生に聞くのが一番です。
先生方は、頑張ろうとする生徒を応援したくなるものです。ふだんから、気軽に質問し、「ありがとうございます」といえる関係を築いておけば、教科担任の先生は非常に心強い存在になります。
やりすぎない。
上記と関係しますが、文法は難しいです。国語教師も、何年もかけて「つまりこういうことか!」とわかっていくくらいの難易度です。掘れば掘るほどわからなくなっていくところがあります。ですから、現段階で求められているところまでで留めておくという考えも大事です。いっぽうで、わからないところがでたら、わかっている人(一番いいのは学校の先生)に聞けると、モヤモヤがすっきりして、自信になります。先生を大いに頼りましょう!
まとめ
いつものように、基本理念をお伝えします。
「好きなことに打ち込むために、勉強の不安を減らす。そのスタイルをもってもらうためのお手伝いをしたい」
勉強のことだけをいえば、「長時間勉強することが大事」と思われがち。
スポーツのことだけいえば、「ずっと長時間練習すべき」と考える人もいます。
私個人としてはどちらもそうは思いませんが、一般的にそのようにとらえられることが多いと感じます。
まず、なんでも長時間取り組むというスタイルは、物理的に限界があります。一日は24時間しかないからです。
24時間の中で、好きなことに大いに打ち込み、かつ、勉強もしっかりやる。そのためには、それぞれの活動に必要以上に時間をかけないことが大事です。それは、勉強に対して手を抜くということではありません。短い時間で効率よくやった方が効果自体も上がると考えています。
ですから基本的には、なんでも予習する、何でも繰り返し復習する、がいいとは考えていません。
でも、この文法についていえば、予習こそ最適な取り組み方と考えています。
授業で扱われるタイミングがテスト直前であることが多く、一斉授業で一度聞いただけでは理解することが難しいからです。
文法については
・早めに予習。
・できれば少人数でちょっと教えてもらえればラッキー。
・必要な範囲で問題を解く
ことが有効だと考えます。
「文法の予習」に取り組む方は、どうしても少数です。でも、行動できただけで、全体の数%の存在になります。興味を持っていただけたようでしたら、試しにトライしていただけたらと思います。
・勉強の準備を時間をかけすぎずバッチリにして、
・生み出した時間を大いに使って
・好きなことに没頭して取り組む
そんな子どもたちが増えてくれたら嬉しいです!!
参考資料
国語の文法学習のざっくりとした見通し(光村図書の教科書を参考に)
(学期/タイトル/主な用語/独断で難易度を5段階評価)
一年:
1学期:言葉の単位/文章・談話・段落・文・文節・単語/難易度2
2学期:文の組み立て/主語・述語・修飾語…難易度4
3学期:単語の分類/自立語・付属語・活用・名詞・動詞・十品詞…/難易度5
二年:
1学期:活用する自立語/動詞・形容詞・形容詞・自動詞・他動詞・補助動詞…/難易度4
1学期:活用しない自立語/名詞/副詞/連体詞…/難易度3~5(一年の学習の定着度による)
2学期:用言の活用(活用形中心)/活用形・未然形・連体形…/難易度4
2学期:用言の活用(活用の種類中心)/五段活用・上一段活用・音便…/難易度4
3学期:付属語/助動詞・助詞/難易度3.5
三年:
1学期:文法を生かす/対応・意味のまとまり・呼応の副詞…/難易度は2年生までの定着度による
2学期:文法のまとめ/品詞の識別・その他総復習/難易度は2年生までの定着度による
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