中学一年生は、中学校の国語のテストをあまりにも無防備に受けてしまいます。
努力は、正しい方向性で行うことによってはじめて成果を生みます。国語の試験勉強が正しい方向性で行われるよう、ここに
必須情報10選+4
を記しておきたいと思います。
- 中学一年生は、中学式国語のテストの「暗黙ルール」をほぼ知らない
- テスト範囲は、5月2週にはほぼ予想可能。範囲を予想して、とっとと対策をはじめるべき
- 問題文はあらかじめ覚えて受ける
- 漢字問題は先生が指示した範囲・方法に合わせて勉強する
- 用語は漢字で書けるように準備。
- 小説はどこから出るのかが分かりやすい
- ワーク・小テストは解き直して全問正解できるまで繰り返す。
- 記述問題の採点基準は、事前に扱った問題の模範解答になることが多い。
- 「正しい解答の書き方」(「条件合わせ」「形式合わせ」「文末合わせ」)ができるようにしておく。
- 文法 に関する問題は、どんな問題が出るのか先生に確認する
- 番外編①実は暗記要素もあり、対策は可能という点を知っておく
- 番外編②定期テストが苦手な場合、他でがんばる。
- 番外編③1学期は、テスト前よりもテスト後の方が大事。
- 番外編④【保護者の方へ】定期テストの点数だけで「努力した、しない」と判断しないことが大切です。
- まとめ
中学一年生は、中学式国語のテストの「暗黙ルール」をほぼ知らない
中学一年生は、ほとんど国語のテストの受け方を知らずに1学期テストを迎えます。毎年、多くの中学一年生は、自分が思っていた点数から20点前後低い結果を突きつけられることになります。
それは、中学校のテストの仕組みを知らないからです。
単純に「問題がわかる」というだけでは、点数はとれません。中学校のテストは、小学校では○だった解答も△や×になることが非常に多いです。詳しくは、このあとに説明していきます。
まずは、一番最初に次のことを頭に入れておきましょう。
「中学校のテストの答え方のルールを知らなければ、自分の予想点より数十点低い答案用紙に出会うことになる。」
テスト範囲は、5月2週にはほぼ予想可能。範囲を予想して、とっとと対策をはじめるべき
テストの範囲表は、多くの場合テストの2週間前に配られます。
多くの生徒が、テストの範囲表が配られてから、テストの対策をはじめようとします。
ですが、このやり方は非常に効率が悪いです。
テストの範囲表が出る前に、5月2週にはテスト範囲は予想できます。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
テストの範囲表が出る前に、テストの範囲を予想してある程度把握することがまずは大事です。そして、とっととテスト勉強をはじめてしまうのです。
テスト勉強、と聞くと、「そんなに早くから勉強するのは嫌だ」「勉強しすぎ」と思うかもしれません。
これは全くの思い違いです。むしろ逆です。
はやくから、毎日ごくごく短い範囲を対象に、短時間で対策をしていくことで、効率よく勉強できます。望む結果に行き着くまでのトータルの勉強時間は、テスト2週間前から勉強をはじめたときと比べて、決して長くなりません。
最新の研究では、一日120分でたたき込むのと、10分を12時間に分けて勉強するのでは、後者(10×12日)の方が効率よく頭に入ることがわかっています。だから、テスト範囲を早い段階で(多少間違っていても)把握したうえで、テスト前に長時間やるのではなくて、早い段階から少しずつ勉強することが最適解なのです。
テスト4週前などは、時間的余裕もあるので、細かいところや苦手なところに時間をかけて行うこともできるので、その意味でも効率的です。
あまりだれもやっていない対策ができているという意識、ちょっとでもやれたときに感じる達成感も、気持ちよく勉強を進めていくためのエネルギーとなります。
テスト範囲表をひと月前から自分で作って、全体像をつかみ、毎日短い時間でこつこつ勉強しよう。その方がトータルでは短い時間で結果を出せる。
また、勉強にとどまらず、どんなことでも、まず全体像をとらえるということは、物事を効率よく進めていくための第一歩です。ビジネスや家事、スポーツの分析などあらゆることにこのことは応用できます。 たとえば、サッカーの試合分析をするとします。その時に、サッカーの全体像を把握します。ここでは、「攻撃・攻撃→守備の切り替え・守備・守備→攻撃」という4分類でサッカーの全体像を整理したとします。すると、とたんに、サッカーの試合分析(子どもたちの場合は試合の振り返り)がやりやすくなりますね。小学生なら「声が出ていなかった」「気持ちで負けてた」くらいしか言えなかったのが、サッカーの全体像を理解しはじめる年代になると、より分析的に振り返りができるようになるのはこういったところにも理由があります。
ある中学校の進度予想
→教科書:光村図書「国語1」(5月2週までの進度から予想してみました)
大単元「言葉に出会うために」 の
言葉に出会うために(詩:口語自由詩)
野原はうたう(詩:口語自由詩)
声を届ける・書き留める・言葉を調べる・続けてみよう(軽くやった程度かも)
大単元「1 学びをひらく」のなかの
シンシュン
情報を的確に聞き取る
比較・分類
情報を整理して書こう
漢字の組み立てと部首
漢字に親しもう1
大単元「2 新しい視点で」のなかの
ダイコンは大きな根?
(ちょっと立ち止まって)
(話の構成を工夫しよう)
(漢字に親しもう2)
言葉のまとまりを考えよう
(※関連して、p238~p241言葉の単位 が出題されると予想。五つの単位を理解してしまおう)
問題文はあらかじめ覚えて受ける
中学校のテスト問題は、一年生にとっては「問題文が長い」と感じるものだと思います。実は、時間が足りなくて最後の方の問題が解けないことで、10点近く点数を落とすということは「あるある」です。A4の規格の用紙に、問題用紙、解答用紙合わせて3~4枚配られることが多いです。あまりにも小学校と違う量で、かつ、どこに何を書いたらいいか、といったことも迷ってしまうかもしれません。
これを防ぐ方法として有効なのが、「問題文をあらかじめ覚えてテストを受ける」という方法です。
多くの学校では、教科書の本文の全部、あるいは一部が問題文として使われます。つまり、「本文を読んで次の問いに答えなさい」と聞かれる「本文」は、事前に読んでおくことが可能ということです。
「時間が足りなかった…」「最後の方の問題、わかってたのに時間足りなくて書けなかった…」にならないように、問題に取り組む時間を長くするために、教科書本文の内容は頭に入れておきましょう。
本文を頭に入れるには、どうせ同じ時間を使うのなら「音読」の方が「黙読」よりはるかに効率がいいです。気乗りしなければ「黙読」でもいいので、やっておきましょう。
「問題文を頭に入れておけば、問題を解く時間を増やすことができる」
漢字問題は先生が指示した範囲・方法に合わせて勉強する
漢字の勉強は、先生の指示通りの方法でやるべきです。漢字の問題は、各先生方によって、何から出題するのか、本当にさまざまです。
例:
A:教科書○○ページから、読み5問、書き5問出題します。
B:小テストで出したものから、…
C:50問プリントの中から…
D:テスト範囲の中から、全ての漢字を対象に出題します。(いちばん本質的かついちばん対策が大変)
小学校の宿題の定番は「漢字練習」「計算プリント」ですよね。そのためか、中学一年生の意識には「国語の勉強=漢字」というものがあります。ですが、中学校の国語の授業の中で、漢字の勉強が占める割合は、決して多くはありません。授業で触れる時間も正直なかなかとれないので、自分でやっておいてもらうという部分が多くなります。だからこそ、先生方は比較的対策しやすいようにテスト範囲を限定してくれる場合が多いです。
中学校の漢字の勉強は、教科書の頭から一つずつ、というよりは、小テストや定期テストの範囲をよく読んで、テストに出るものを使って勉強していくことをお勧めします。
そのうえで、定期テストの前には、範囲の漢字問題が全部できるようになっているか、実際に漢字を書いてみることで確認してください。
国語の中では、出るところが予想しやすいもののナンバーワンが漢字であり、配点は多くは10点程度と高いです。効率よく、かつ厳しくチェックしましょう。やらなければ-10点のハンデを受け入れた、ということになりますよ!
漢字は先生の指示どうり効率よく覚える。その分、「書けるかチェック」は厳しくやる!
学習指導要領(教える範囲の基準を示したものとここでは押さえておいてください)では、中学校の新出漢字は「読める」という状態になることが基準として示されています。ですが、多くの国語の先生のお考えとして「書けるようになっていた方がいい」「書けるようにならないと読めるようにならない」というものがあります。ですから、定期テストでは、中学校の新出漢字も「書かせる」問題として出されることは珍しくありません。
用語は漢字で書けるように準備。
用語は、漢字で書けないと×。これは珍しくありません。
例①:p14「あしたこそ」
詩の形式を漢字五字で答えなさい。
「こうごじゆうし」→○口語自由詩/×口語自由詞
例②:p14「あしたこそ」
「とんでいこう どこまでも」で用いられている、言葉の順序を入れ替える表現技法の名前を漢字三字で書きなさい。「とうちほう」→○倒置法/×到置法
口では答えが言えても、漢字で書けなければ解答としては0点です。
このような問題は多いです。(わたしはこのような問題を「隠れ漢字テスト」と呼んでいます。)あるテストを見て分析した結果、そのような「隠れ漢字テスト」は20点近く発見できたこともあります。
「用語は漢字で書けるように。隠れ漢字テストは問題の至る所にひそんでいる」
小説はどこから出るのかが分かりやすい
※以下の内容は個人の見解です。特にそのつもりでお読みください。
小説教材というものがあります。小学校でいうところの物語です。
中学校1年生「シンシュン」2年生「アイスプラネット」3年生「握手」(光村)…
どの小説にも共通していることとして、以下のような「小説の作り」があります。
①はじまり:時、場所、人、人物同士の関係、その他設定が示されて… ②きっかけ:お話が動く。事件のきっかけになることが起こる。仲良かった友達がちょっとぎくしゃくしたり… ③展開:お話が大きく3回程度進む。読み手がドキドキしたり、苦しくなったり… ④クライマックス:一番の大きな出来事が起こる。気まずかった友達に話しかける場面だったり、問題が解決にむけて動いたり、事件の真相が語られたり… ⑤結末:大きな出来事が動きを見せたあと、その後の話しが短く語られる。仲直りしたあとの、2人の関係とか…
このうち、問題として出しやすいのは、①②④あたりです。
③は、その前に語られた部分から続いていくので、「テスト」という限られた紙の量の中で問題を作るときに難しい。
⑤よりは、やはりお話が大きく動く④の方が、気持ちの変化が大きいので、先生方としては考えてほしい問題を作りやすいです。⑤を取り上げることは少なくなる。
①は、比較的簡単な問題を出したいときに使うことが多いと思います。
②は、最初に物事が動き出す場面なので、設定の変化や気持ちの動きをよく見てほしいところです。ですので比較的問題にしやすい。
④は、お話の一番中心になるところなので、「話の内容を理解しているか」「気持ちの変化を捉えているか」ということを見るための問題が一番作りやすいです。
特に、①②④あたりの内容について、ワークや小テストの復習を細かくしておくといいと思います。
「前半の「お話の設定」最後から少し前のクライマックスの「心情の変化」は、特に丁寧に確認しておこう」
ホンネ:小説に対して、テスト対策なんてしていると、正直、「なんか、楽しめないなー」って思ってしまいます。ほんとうは、「小説の仕組み」の知識は、小説をより楽しく読むために使ってほしいものだなー、と思います。テスト対策としては割り切って効率よく対策しますが、そればかりが大切なこととは全く思いません。テスト対策とは別に、肩の力を抜いて読書を楽しんでほしいなーというのがホンネです。
ワーク・小テストは解き直して全問正解できるまで繰り返す。
どの教科にも言えることですが、「これ、わかる」と思うことと、「テストで出てきたときに解ける」ことは、全然イコールではありません!
中学生は、「これ、わかる」と思って、「テストでもできる」と勘違いしがちです。
たとえば、小テストの解き直しであれば、
①自分の解答も全部消しゴムで消して
②赤で書きこんだ正しい答えも、修正液で消して(目に入らないようにして)
③実際にもう一回解答を書きこんでみて
④正しい採点ができる人に採点してもらって満点がとれたら
その時点ではじめて「できる」です。
④が現実的になかなか難しい場合は、注意深く自己採点でもいいですが、少なくとも①~③の作業をしつこく行えるかどうかが非常に大事です。
「わかったつもり」で終わらせず、実際に書いて解いて、本当に満点取れた段階ではじめて満足せよ!」
ちなみに、ここでどうしても出てきてしまうのが「一度やった問題を消しゴムで消すのが面倒」という意識。ワークなどは、事前にコピーをとっておくという方法もありますが、それも面倒ですし、お金も一枚10円としても数百円かかります。時間もけっこうかかります。さらにワークは提出義務があったりするので、やったあと消しゴムで消すのも抵抗がありますし、わからなかった問題は赤で書きこんで提出するように、と先生から指示されている場合もあります。
そこで、ワークを2冊手に入れておくという方法は非常に有効です。
学校のワークは一般の教材と比べてずいぶん安いです。
唯一のネックとして、学校を通して教材社に発注していただくことになるので、先生方にお手間を取らせてしまうという部分はありますが…。効率で言うと、かなりアップする方法だと思います。
記述問題の採点基準は、事前に扱った問題の模範解答になることが多い。
国語は、採点基準を作るのが非常に難しい教科です。先生方の中でも、大事にするポイントが完全に一致しているとは限りません。複数の先生方で学年の国語を教えているときは特に、共通の採点基準をもってテスト採点をします。
ですが、これはなかなか難しいことでもあります。
ですので、特に数十字程度で答えさせる問題は、事前に授業(ワークや小テスト)で一度扱われた、出題されたものが再び出題されることが多くなるのです。
その際の採点基準は、授業で、模範解答として紹介されたものとなります。
(個人的には、ワークの模範解答があまり良くないな、と感じるものもけっこうあったりしますが)テストの採点基準としては、ワークならワークの模範解答が最高のものになります。
答え方の一例を学ぶことと割り切って、ワークの模範解答を、表現の仕方の細かいところまでよく見て、自分でも同じように書けるようにしておくことが、テスト勉強としては効果的です。
「記述問題は、事前にやっているものから出されることが多い。採点基準は、すでに配られている模範解答。」
「正しい解答の書き方」(「条件合わせ」「形式合わせ」「文末合わせ」)ができるようにしておく。
一番大事なポイントかもしれません。
小学校との一番の違いは、「採点基準が厳しい」ということ。解答の書き方は、条件を満たしていないと厳しく×がつくのです。
小学校では、このあたりの採点基準はおそらくそれほど重視されていないのではと思います。
例①:「野原はうたう」の「おれはかまきり」→「かまきりりゅうじは自分のことをなんと呼んでいるか。書き抜きなさい。」
解答例:俺→×です。
→正しい答え:おれ
理由:問題で「書き抜きなさい」という指示がでています。
書き抜き、とは、本文からそっくりそのまま抜き出して書き写す、という意味なので、本文に書かれている表現そのままに書き写さなくてはならないのです。
そう考えると、答え:「おれ。」も×です。なぜなら、本文にない「。」をつけているからです。
例②:「野原はうたう」の「あきのひ」→「のぎく みちこ」がふりかえったときに見えた情景はどんな情景だったか。本文の表現を使って十五字程度で答えなさい。
解答例A:ゆうひがくるくるをしずむところでした→×。△もほぼないのでは。
解答例B:ゆうひがくるくるとしずむところ→△の可能性高いかも。×も十分ありえる。
→正しい答え:ゆうひがくるくるとしずむ情景
理由:
・「どんな情景だったか」と聞かれたら「~情景」と答える。聞かれ方と答え方を対応させる。
また、解答例C:夕日が沈む情景→×の可能性大です。15字以内の問題なのに7文字しか使っていない。少ない。(プラス本文の言葉を使って、という指示なのに漢字に書き換えている。これも減点対象になることがある。)
字数制限がある場合は、制限の8割の字数は埋めるように書くと考えるといいです。したがって「15字程度」と聞かれた場合、13字から15字の答えが模範解答である場合が多いです。(でもたまに、11字くらいの模範解答だったりすることもある、のがややこしい)
だから、こういうこともあります。
書いた解答:ゆうひが、くるくるとしずむ情景。→×
×になった理由:「、」「。」は1字と数えたら、十六字(字数オーバー)になっているから。…声に出したら模範解答と同じなのに、こちらは×です。
このあたり解答の正しい書き方を事前に確認してテストを受けた場合と、確認しないで受けた場合では、10点、20点、もしくはそれ以上に得点に差がつきます。
先生方も、このあたりは授業のどこかの場面で指導はしています。あるいは、ワークの最初の方のページで説明が載っているものもあります。ですが、その説明を一度聞いて、間違いなく正しい解答の仕方ができるようになる人は決して多くはありません。学年が進んでも、正しい解答の書き方を知らないままのことも全く珍しくありません。
解答の内容はだいたいあっているのに、正しい解答の書き方が身についていないので全て×、ということも起きてしまうのです。小学校では○や、-1点くらいですんでいたものが全部×になったら、かなり点数は下がりますよね。
「正しい解答の書き方」は、最重要事項!
・問題を解いて、
・内容が合っている気がするのに答え方が悪くて間違えたときに
・どう解けば良かったかを先生に聞いて、理解する(けっして、怒って聞かないでね笑)
これは、失敗を何度かしながら身につけていくぐらいの気持ちで、身につけていきましょう。
以下に、いくつかの例を示します。
・「どんなことか」と聞かれたら「~こと」で答える。
・「なぜか」ときかれたら「~から」で答える。
・「○○字以内で答えなさい」と問われたら、「○○字ぴったりか、その字数の80%の字数は使って答えるようにする。(ごくたまに例外あり)
・「、」「。」は一字と数える。
・たとえば「『性質』という言葉に続くように、三十字以内で書きなさい」のように、何かの言葉に続く形で解答を書く場合、解答の最後に「。」はつけない。「。」をつけたあとで何かの言葉につながるのはおかしいから。
・書き抜きなさい と問われたら、漢字をひらがなにしたり、最後に「。」をつけたりしないで、本文にあるままの表現をそっくりそのまま書き写して答える。
・「漢数字で答えなさい」と問われたら、「1,2,3…(算用数字)」は使わない。「一、二、三…」を使う。逆もまた。
・やや複雑な型の指定:たとえば、「『~に対して、……だから。』の形で答えなさい。」と聞かれたら、正確にこの形で解答を書かなければいけない。「て」が抜けて「~に対し、」になっただけで減点。
文法 に関する問題は、どんな問題が出るのか先生に確認する
一年生ならP59「言葉のまとまりを考えよう」のような、文法の学習内容があります。文法は、国語のなかで生徒が最も苦手とする範囲と言えます。大人でも、国語の先生でも難しいと思うくらいの内容も含みます。
この範囲がテストに入ると、対策する生徒は大変です。とはいえ、光村図書の教科書ではちょうど3つの文法事項に分かれているので、学期に一つずつはテスト範囲に入ってくることが濃厚です。
そこは覚悟しておきましょう。
ただし、救いもあります。文法は、掘り下げれば掘り下げるほど難しい問題や例外的な問題が出てくるところです。よって先生方も、ある程度問題の難易度を調整してくれることもあります。
ですから、できれば教科担任の先生に、「今回のテストでは、どの位の問題に対して答えられるようになっておけばいいですか」ときいておくといいでしょう。あわせて、小テストの解き直しなのか、ワークの問題をやっておいた方がいいのかといった、何を使って勉強しておくのが一番いいかというアドバイスもきけるといいです。
文法は難しい。どれくらい対策すればいいかは教科担任の先生に聞くのが一番いい。
番外編①実は暗記要素もあり、対策は可能という点を知っておく
国語は、いちばん何を勉強していいかわからない教科ではないでしょうか。
でも、よくみていくと、対策方法はいろいろあります。
・範囲の漢字を書けるようにしておく
・範囲の、漢字で聞かれそうな言葉を漢字で書けるようにしておく
・本文をだいたいおぼえておく
・ワークや小テストを、答えを消した状態で改めて書いて解く。
・一度やった「数十字以内で答えなさい」式の模範解答をしっかり再現できるように復習する。
本来的ではないですが、記述問題も、結果的に暗記要素を含んでしまいます。対策はしやすい反面、本来の国語と言えるのかというモヤモヤはありますが…。
対策としてはできることがあるということは知っておき、抜けやもれなく、短時間で積み重ねていけばそれほど負担なくやっていける教科とも言えます。
番外編②定期テストが苦手な場合、他でがんばる。
とはいえ、どうしてもペーパーテストは苦手、ということはあります。
9で挙げた、「正しい解答の書き方」などは、すぐに全部理解できる人はそう多くはありません。
必要な対策を、一日に割り当てられる時間のなかで取り組めているのであれば、もうそれ以上は思い悩んでもしょうがない。永遠に焦り続けることはすべきではないと思います。レポートや小テスト、さらには話し合いに積極的に参加することなど、日常から頑張っていくことで苦手をカバーすることはある程度できます。国語がどうしてもイヤでたまらないのなら、他の教科で頑張るというのも一つの考え方です。思い詰めすぎないことが大事です。
もし、わからないことや思っていること、感じていることを話してくれるのであれば、できるだけのサポートをする準備をしています。ただ、国語教師がマンツーマンで対策を伝えたとしても、それでもその時点ではどうしてもわからない場合だって、十分にありえます。けっして、やる気がないということではありません。
苦手を克服することも大事ですが、一番大事なのは、日々いきいきと輝くように生活することです。あるところがどうしても不得意だったら、他のところで埋めればいいんです。気楽さも大事だと思います。
番外編③1学期は、テスト前よりもテスト後の方が大事。
1学期は、テスト範囲予想は最もしやすいです。いっぽう、1学期テストはテスト傾向予想はもっともしづらいです。新しい学年、新しい先生が、どんなテスト問題を作るのかは、一度テストを受けてみないことにはわからないからです。
物事の対策を練るためには、対象となるものの全体像を知ることが大事だと常々発信していますが、1学期のテストが終わったら、テストが「どのように」作られるかの傾向が見えます。
ですから、テスト直後こそが実は貴重なのです。
ワークから出たのか、小テストからなのか、覚えておけば解けたのか、対策が難しい種類の問題が多いか、など。
テストが終わった直後にしっかり振り返り、書き留めておくことができれば、次回以降のテスト対策が時短で行えるようになります。
このことをしっかり行う中学生はほとんどいません。ですが、こういうことにしっかり時間をかけて、普段はそれほど勉強せずに好きなことに打ち込んでいる、という人は少数ながら確かにいます。少しでも、そういったライフスタイルを身につけられるようにチャレンジしてほしいと思います。
番外編④【保護者の方へ】定期テストの点数だけで「努力した、しない」と判断しないことが大切です。
お子さんは、テストのために本人なりに努力をすると思います。もし本当に努力が足りず、点数もとれなかったのであれば、「もっと勉強しなさい」と言ってもいいかもしれません。
ですが、今まで見てきた決して少なくない子どもたちは、本人なりにかなり努力したにもかかわらず点数がとれず、落胆したうえで、家庭、友人、周りから「なまけている」と言われ傷ついていました。
「努力は過大評価されて、方向性は過小評価されている」「どうしても合わないものもある」「苦手の克服以上に、強みを伸ばすべき」と私は考えます。
やったけど結果が出ないのは、方向性がずれているのかもしれない。でも、一生懸命やったことで、方向性がずれているのかもしれないと考えることができたとすれば、今回一生懸命やったという事実は、素晴らしい成果を挙げたとも言えます。
どんなやり方でやったとしても、この教科はほんとにわからない、という場合だってあります。みんなに平等の条件で評価するために、ペーパーテストという手法が重要視されているのであり、「読む」「書く」が苦手な子には、この仕組みは不利です。
結果が出なかったとき、それが示すものは「結果が出なかった」ということであり、「努力していない」ことではありません。
点数に表れない努力を認め、点数に表れない努力の跡を見つけてあげ、一緒に伴走してあげることが大事だと思います。
まとめ
テストを解くうえでの具体的な対策法から、生徒や保護者の方に知っておいてほしい心構えに至るまで書き出してみました。たくさんの量になりました。
まだまだ書き切れないところはあります。とくに9の「正しい解答の書き方」は、ほんの一部分の紹介にとどめています。やはり実際の問題に触れながら、その時々で身につけていくことが一番の近道です。そういった意味では、私でも、教科担当の先生にでも、「どうやって書いたら良かったですか」とたくさん質問してくれることが最速の道。行動こそ一番。
この記事自体が膨大な量になったので読むのが大変ですが、何度も読んで、問題を解いて、また読み返して、を繰り返し、確実に自分のものにしていただけたら嬉しいです。
内容は勉強方法の紹介が主になりましたが、私の変わらぬ大きな願いは
「日々満足しながら好きなことに思い切り打ち込み、充実した毎日を送ってほしい」
テスト対策は必要ですが、そのことばかりに焦り、苦しくなってしまっては、元も子もないです。
ぜひ、「勉強の不安を余計に感じないで過ごすために、できることを自分のペースでやっていく」という心持ちを大切にしていただけたらと思います。
勉強以外に大切なことがたくさんあるからこそ、勉強のことで悩みすぎない生活を手にしてほしい。
そのための情報発信をこれからもしていきたいと思います。
コメント