はじめに
数ヶ月、構想を練ってきた学習サポートを、いよいよ、明後日からはじめます。
今回は、いつもお世話になっているサッカークラブの選手を対象に、授業を行います。
今回の授業の構想、今朝の「朝散歩」によって、見事に降ってきました。
現段階で頭の中におりてきたものを、本ブログ上で一気に形にしてみます。
子どもたちに身につけてほしい、学習に向かうための11の力【2022年度版】
サッカーにちなんでちょうど11にまとめました。
11の力、3つのカテゴリーにわけて考えます。それは
【設計】×【仕組み化】×【自分を褒める/のる】
という3つ。
この3つの領域の力がかけ合わさって、
「楽しく、効果的に(途方もない時間を使わずに)勉強する」が可能になるというイメージです。
【設計力】1 人生設計力
「どんな人生を送りたいか」をイメージする力です。
とても大事になってくるカテゴリーです。
いっぽうで、若いうちにはなかなかイメージしづらい項目かもしれません。
サッカークラブの子どもたちであれば、
・プロ選手になりたい
・サッカーに携わる仕事がしたい
と、考えている選手も一定数いることでしょう。
他方では、そこまでイメージできない場合も、とても多いと思います。
自分が、何をしているときに輝けて、世の中に価値を提供できるのか。
それは、人によってイメージがわく瞬間が訪れる時期が違うのではないかなと私は思います。
大切な項目ではあるので1番に挙げました。ですが、
若い方々が今、そこまでイメージできないとしても、問題ないと思います。
若い時分に、おぼろげでもイメージできている場合は、非常に幸運ですね!素晴らしいと思います(^o^)
【設計力】2 キャリア設計力
「どんなキャリアを積み上げるか」をイメージする力です。
ここでいう「キャリア」には、
・資格、スキル、実績、就職、進学
などが入ります。
ここでは、学習に関しての話しに焦点を当てるため、「進学先」をイメージしていただくのがわかりやすいと思います。
ただし、話が複雑になることを覚悟してお伝えすると、
今後、より求められてくるであろうことは「何が好きか/何ができるか」であろうと私は考えています。
今回は、わかりやすく「進学先(どこで学ぶか)」に焦点を当ててお話を進めますが、「何が好きで、何ができる人になりたいか」も、もし余裕があれば頭の片隅においていただけると嬉しいです。
【設計力】3 年間の設計力
「今年一年でどんな成果を得たいか/そのために何ができるようになりたいか」をイメージする力です。
「数年~十年前後の未来にどうなっていたいか」の大きな計画の間に、目安となる「飛び石」をおいていくようなイメージです。
【設計力】4 「直近の目標」に向けての設計力
年間で立てた目標を意識しながら、具体的な目標設定がしやすい「直近の目標」に向けてさらに細かく計画を立てる力です。
1から3の設計がもしできなくても、さしあたってこの設計ができれば学習に取り組むことはできます。
たとえば、
・夏休みの宿題を終わらせる
・夏休み明けテストで○○点とる
・中間テストで○○点とる
のような、1ヶ月前後~数週間単位の未来に向けての設計です。
このあたりから、具体的に「今日、何をするか」に関わってきますね。
【設計力】5 「今日やること」を決める力
実際に、「今日何をやるか」を決める力です。
この決断は、「適切に決める」ことも大事ですが、「早く決断する」ことも非常に大事。
とくに、計画的に学習する、ということを始めたばかりの時は、なおさらです。
何やろうかなー、うーん、とずっと考えているよりは、「効果的かは分からないけど、とりあえず行員方針でやってみよう」と楽天的にスタートできた方がいいです。
ちなみに、
この『5「今日やること」を決める力』、
また、次の『いつ、なにをどうやるかを決める力』を身につけていくことには、
脳科学的/心理学的/生物学的な知識が関わってくると考えています。
それらの知見をフル活用して、学習サポートを進めていこうと思っています。
【仕組み化力】6 いつ/何を/どれくらい/どのようにやるか を決める・決めておく力
具体的にどのように学習を進めるかをイメージする力です。
ここを考えていくために、非常に有効に使える脳科学的/心理学的/生物学的な知識があります。
①一日の中で、勉強が効率的に進む時間帯がある。(9時~12時/16時~18時/寝る前数分※暗記)
②勉強の成果が出てくる時期、あまり上がらない時期がある。
③休憩の入れ方にもコツがある。(25分ごとに5分、50分ごとに10分など。休憩に飲水や日光浴、軽い運動など)
④勉強の種類によって、一日のうちどの時間に行うのが適しているか、は違う。
⑤学習がはかどるプランニングには個人差がある。
⑥みんなで集まって勉強する効果を最大限活用。
これらの知識を踏まえたうえで学習サポートをしていきます。
控えめに考えても、かなりの成果が出ることが予想され、教えたくてうずうずしています。(追記:2023年時点で、昨年度のサポートを振り返ると、予想以上の成果が上がり、指導者自身が驚いています。)
【仕組み化力】7 自らが作った仕組みに乗る力
計画通りに行動する力です。
計画通りに行動することがうまくいくには、
①計画が無理のないもので、できれば「やってみたい」と思えるものであること
②実行する前に、余計な判断をしなくてもいい状態であること
が大事だと考えています。
【仕組み化力】8 仕組みを修正する力
仕組みを見直し、より自分に合った形に調整する力です。
はじめは、人に勧められた形で勉強の計画を立てた(仕組み化した)としても、
それはより、自分にあった形に調整していく必要があります。
そうすることで、自分にとってよりしっくりくる仕組みができあがり、自分にとっての「学習自動取り組み装置」ができあがります。
自分で少しずつ改良した「学習に向かう仕組み」が自分にとっての「学習自動取り組み装置」だと思えるようになったら、とっても楽しいはずです。
そして個々で身につけた自己調整能力は、他の分野でも直接的に使える力になりますし、将来的にもずっと使ってもらえる自分の財産になります。
【自分を褒める/乗る力】9 計画通りにできた自分を褒める力
毎日、勉強を終えたあとに、「○○がうまくいった。よし。」と自分を褒める力です。
どんな低いハードル設定でもいいです。
他の人がどう評価するかも気にしない。
目標に対してクリアできた部分に目を向けて、「○○がうまくいった。よし。」と褒めましょう。
うまくいったときは、自分を褒めるのは比較的簡単にできますよね。
あまり手応えがないときは…
・このやり方でやるときはあまりうまくいかないことを知ることができた
・失敗のパターンを見つけるために、数十分の時間を割くことができた
という、立派な気づきを得られているわけです。
自分なりの計画を立てて、実行したときに失敗経験が残った、というのは、
とても貴重な「成果」なのですから、胸を張りましょう。
なんか、サッカーに似ていますね。
「ミスを怖がる」→× 「判断し、決断した上でのミス」→◎
保護者の方はじめ、周りの方々は、辛抱強く見守ることがポイントです。
トライ&エラー:トライし、失敗することができれば、そこから見えてくる真実がある。最速で失敗できたことを派手にお祝いできるくらいがちょうどいいかも、と思います。
【自分を褒める/乗る力】10 もっとうまく(楽しく/効果的に)やるぞ!と思う力
より、どうしたらうまくいくかを、楽しみながら考える力です。
「9 計画通りにできた自分を褒める」ができたら、
比較的自然に「もっとうまくやるにはどうしたらいいか?」と考えられると思います。
次は、こうしてみよう、という小さなアイデアが思いついたら、
「次の勉強に取り入れてみよう、もっと良くなるぞ!」と考えて、ワクワクしてみましょう。
「そんなことできないよ」と、よく、教師のときは生徒からいわれたものです。
そう思う気持ち、わかります。
それもわかったうえで、それでもなお、おすすめするのはなぜか。それは、
こういう思考法は、ある意味、テクニックだからです。
自分をそういう思考に、自分でもっていくというのは、ある意味技術なんです。言い換えると、
「自分で自分の機嫌をとる」ということです(^o^)
関連して、ここで注意点が一つ。とにかく時間を増やそうと焦らないこと。
ゴリゴリに長時間勉強しようという気持ちになっているとき、たくさんやりたいと思ったら、やってみてもいいとは思います。もしかしたら、「とにかく注力して勉強する!」という経験が、あとあと活きてくることもあるかもしれません。
ですが、24時間の中には、勉強以外に使うべき時間がたくさんあります。
体の健康のため、心の健康のため、よりよいパフォーマンスを(勉強でもスポーツでも人間関係でも)
発揮するため、勉強以外の時間も大切にしてほしいです。時間を守って取り組む方が意欲的に、効果的に取り組めて、人生全体の満足度も上がる。そういう視点も大事です。サッカーでも、よく分からない指導者はとにかく長時間サッカー付けにしようとしますが、本当に選手のことを第一に考えられる指導者は闇雲に長時間根性論ありきで指導なんてしません。勉強もサッカーも共通点は多いです。
【自分を褒める/乗る力】11 毎日「今日は充実していた!」と振り替える力
毎日、充実していることを確認する力です。
忙しい毎日を、流されるように生活していると、心がすり減ってきます。
学習も、その他のことに関しても言えると思いますが、
「できなかったこと」ばかり気にしていると、元気がなくなってきます。
眠る前に、「今日楽しかったこと」「今日できたこと」を振り返りましょう。
できれば、3つ、箇条書きにして書き出すことをおすすめします。
※樺沢紫苑先生 「3行ポジティブ日記」をググってみてください!
大人も子どもも、心がすり減ってしまう瞬間はあると思います。
学習を進めるうえでも、毎日の成果をポジティブに評価することが非常に大切なので、今回、学習に関する力の11個目に挙げました。
お気づきかと思いますが、この力は、「学習を進める際」のみに活きる力ではありません。
「幸福感を感じながら生きていく」ためにも有効な力だと思っています。
よかったら、年齢問わず多くの方々にお試しいただきたいです。
まとめ
①かねてから「どうすれば、子どもたちが学習に関して抱く困難を軽くできるか」と考えていたこと。②そこに「学習サポート」の機会をいただいたこと。
③教員22年間で何千人の子供たちが関わってくれたことで蓄積している経験。
これらの思い、願い、機会、経験を
④朝散歩の中で得られたひらめき。
の力を借りて一つの形にまとめました。
大きな喜びを感じるとともに、大きな感謝をしています。
とはいえ、もちろんこれだけをお示ししても、多くの方に実際に活用してもらえるように導くには至らないとおもいます。
より、具体化して、継続的にサポートしながら
多くの子どもたちが、学習のプレッシャーから少しでも開放されて、「日々満足しながら、思い切り自分の「好き」を追究できるように」お手伝いできればと思います。
コメント
上記文章として文字に起こされていると、わかりやすくほぼ共感です。私の場合、親は母親が専業主婦でしたし、環境のためか、自然と無意識に心がけていたことが多いなと感じました。教育は非常に大切な事だと思いますが、塾をはじめ、ビジネスに偏ってしまっていると感じております。やりたいことを追求できる、夢を実現する、そのような教育(の根本だと思っております)ができる環境づくり、応援しております。
3行ポジティブ日記、やってみます‼️
ありがとうございます!
教え子Iさんということは、かつての生徒さんでしょうか、嬉しいです!
お母様の声かけやさりげない場面提供やご助言、ご本人のモチベーションや特性など、うまく関連し合い、
計画を立てて、高いモチベーションで学習されていたのではないかと思います。
いっぽうで、22年教員生活をやってきて、そのような自分のスタイルをもって(特に中1,2年で)効果的に家庭学習+自分のしたいことに打ち込めていた方は決して多くはない印象です。
なかなか自分の満足いくライフスタイルを見いだせないでいる子どもたちに、少しでも
・「日々満足しながら、自分らしく生きる」
ためのスタイルを見つけてもらいたい、そのお手伝いがしたいと思っております。
ビジネス視点で教育の現状を分析されていますね。考えさせられるものがあります。
価値を提供して対価をいただくのがビジネスの仕組みだと私は解釈しています。
長期のサポートを提供する方が対価を長く受け取れたり、やや必要十分以上の+αの価値を上乗せして提供することで、より多くの対価を得られるということも起こりうることだと思います。
いっぽうで、本当に子どものためを思うなら、ある特定の活動に必要以上に、過剰に時間を費やす形は適切ではありません。
また、子どもが自分で計画を立て、日々満足できるスケジュールの中で生活できるようになるのが目的だとしたら、塾や私がやっているような学習サポートを通して学び方や計画の立て方などを身につけたのち、
・先生!ずいぶんと自分で計画立てられるようになった!これからは自分でやってみる!
といって、巣立っていくことこそ一つの目標になると思います。
私自身は、「学習サポート、辞めます!」といってきた子どもに、
・それはおめでとう!
といってあげられるサポーターでありたいと思っています。
それは、収入を得る仕組みからするとネガティブなことなのですが、それを喜べる自分で居続けようと思います。
お金を得ることを優先すると、どうしても純度の高い活動はできなくなると思うからです。
従業員を雇わず、在庫も持たない、スモールビジネスなら、理想を追究するスタイルも可能かなと思っています。
今日は、①教え子Iさんの貴重なお話がいただけたこと、②それに対しての返信を考えることができたこと③自分の企業の理念がまた一つ固まったこと
の3つ、夜のポジティブ3行日記に書くことが埋まりました 笑
この方法を教えてくださったのは、樺沢紫苑先生です。youtubeもたくさん貴重なお話を聞かせてくださいますし、ベストセラー作家さんでもあるので、よかったらみてみてください。
教員は、体を壊す働き方で、命がけの毎日でした。ですが、教員生活を終えて振り返ると、よかった思い出はたくさんあります。
たくさんの「かつての教え子さん」が、たくさん学びの機会をくださり、支えてくださり、友達にもなってくださいます。
「教員やってみてよかったなあ」と素直に思えます。本当に感謝なことです。
今後とも、よき友人として、よろしくお願いいたします!