スポーツ少年団のこれからについて

最近、サッカーの指導の機会をいただくことが、とても増えています。

ずっと、お金も時間もかけてやってきたサッカーの研究。
「最高の指導を提供するために学ばなければいけない」
という気持ち一つでやってきたサッカーの指導。

気がつくと、20年以上、サッカーというものの研究を自分なりに進め、
奇跡的ないくつかの出会いの中で、
「サッカーとは何か」
ということについて、深い学びを得る機会をいただきました。

いま、いくつかの団体で指導する機会をいただき、今までの学びをふりかえる機会をいただいています。

自分にできることはある、という思いとともに、
「サッカーを通して貢献したい」という気持ちが強くなっています。

もともとは、
「学校の先生方を多忙から救いたい」という思いから、
昨今の地域部活動推進の動きに乗り、
何かできないかとはじめたサッカー指導の活動です。

そのこととの関わりはありながらも、
いっぽうで、純粋に
目の前の子どもに、なにかできないか、という思いもあり、指導に関わっています。

教員であった頃にはなかなかお話しできなかった、
様々なお立場の方々からお話を伺う中で、
日々新たな気づきを得ています。

今日は、現段階で見えてきた
スポーツ少年団の特性について、まとめてみたいと思います。

スポーツ少年団の実際

スポーツ少年団の特徴は、以下のようなものだと認識しています。

・営利団体ではない
・指導はボランティア(全くの無償、むしろ持ち出しありの場合もあり。少額の交通費、日当ありの場合もアリ)
・活動に関わり、保護者の方の協力も必要(な場合がある)

このことから、以下のような特徴が生まれると考えられます。

【良さ】

・「みんなで作っている」という意識があり、家族的な一体感が生まれることがある。
・指導者にお金を払う必要がないのでお金がかからない。
・よい指導者がいて、人数が適正(多すぎず少なすぎず)であれば、素晴らしい指導が受けられる可能性がある。

【配慮すべき点】

・当番活動など、保護者の負担が多い傾向がある。
・指導者の確保が難しい

・指導者間で方針を擦り合わせることに、十分時間をかける必要がある(※時間と気持ちを合わせないとここが難しい場合がある)
・指導者・保護者ともに、参画意識を強く持てる一方で、要求がエスカレートしやすい仕組みであり、指導者・保護者・選手のニーズをしっかり擦り合わせる必要がある。

現在関わらせていただいている少年団は、指導者の方の熱意と、保護者の方の協力・配慮により、円滑に運営を進めておられます。

ただ、近年、団員数の減少と、指導者確保が難しくなってきているようです。

団としては、もっと多くの団員が加入してくれて、適正人数の中で指導することにより、
より子どもたちに充実感を残してあげたい、と考えていると思います。

では、団員減少の背景には何があるのか。

もしかしたら、以下の二つの課題があるのではと考えました。

・平日の当番など、保護者負担が大きくて通わせられない。
・指導者がつけないなかでの活動ではなく、指導を受けたい。

・平日の当番など、保護者負担が大きくて通わせられない。

少年団の中には、平日の当番制により、保護者の方が交代で練習会場に行く必要がある。
そんな仕組みをとっているかもしれません。

もしかしたら、その当番に対して協力できず、少年団に入れることができない、となってしまうご家庭も、相当数いらっしゃるのではと思います。

僕自身も、小学校6年生のとき、そういった状況でした。

弟が小さく、母が、当番に協力するのは難しかったので、6年生のときはサッカー少年団に所属することができませんでした。

・指導者がつけないなかでの活動ではなく、指導を受けたい。

こちらも、考えられるのではないかと思います。

特に、僕自身がサッカー少年であった頃と比べて、サッカーは、高度に進化しました。
また、情報化により、学んでいる人は、どんどん指導技術を身につけていっています。

いっぽう、少年団は指導レベルが低いか、というと、けっしてそんなことはありません。

長年の指導経験によりすぐれた指導技術を有するとともに、子どもの心をしっかり掴むことに長けた指導者さんは、たくさんいらっしゃいます(愛情ベースで指導されている方が多いので、このあたりは特に感じます。自分がおつきあいさせていただいている方々はそういう方々です)。

ですが、どうしても、「指導者がつけない」という問題がついて回ります。

皆さん、本業、あるいは副業として、サッカーを教えているわけではありません。
お仕事やご家庭ですべきことをやりながらご指導されているわけです。

フルで、完全ボランティアで指導に関われるという方は、決して多くはありません。
まして、指導スキルを持った方となると…。なかなか難しいです。

少年団は、もう無理なのか

少年団は少年団のよさがあると思います。

確かに、ボランティアのコーチが一生懸命ご指導されることによって、
結果的に、「スポーツ指導」が、収入を得にくくなるということが結果的には起こっていると思います。
これから、地域部活動を進めるに当たり、少年団さんの多くや、部活動の指導が、無償で行われてきた、という事実が、結果的には導入を進めていくためのネックの一つにはなっていると思います。

でも、だからといって、今まで、子どもたちの成長を願い、気持ち一つでスポーツ指導を進めてこられた指導者の方々の活動は、間違いなく「功績」であり、否定されるものではありません。

「子どもたちの成長を願い、地域のコミュニティーが立ち上げた、金銭的にはだれでも参加できる団体」…厳密には金銭的にだれでも、ではないかもしれませんが、大まかには、このように言えるかと思います。

そのような少年団が新たに直面している課題は、言い換えると、

・保護者の時間的負担
・指導者の確保

なのだと思います。

ここをどのようにして解決していくかが、知恵の絞りどころなのだと認識しています。

まとめ

少年団の良さは

・地域の思い、優しさの結晶であり
・金銭的負担は最小限で活動できる

という点。

少年団が抱える問題は

・保護者の時間的負担
・指導者の確保

今回は、このように論点整理しました。

これまで、少年団活動のおかげで、
人生にとってかけがえのない経験を得ることができた方は、本当にたくさんいらっしゃると思います。

この活動が生み出してきた価値を、
より良い形で次の世代につなげていくにはどうしたらいいのか。

保護者負担の問題と、指導者確保の問題は、大きな二つの問題なのだと思います。
そして、そこには、「団費をとるか」という判断も深く関わってきます。

経済状況によらず、できるだけ多くの子に、興味をもったスポーツをさせてあげたい。
でも、指導者確保や、保護者の負担軽減のためには、お金が必要かもしれない。

悩ましい問題ですが、各少年団が、それぞれのご事情の中で、最善の方針を導き出していく必要がありますね。

自分として、どのような形で貢献していくべきなのか、引き続き考えていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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