2022年9月から学習デザインサポートをはじめて、9ヶ月になりました。
・学習デザインサポートをはじめるきっかけになった、教員時代に感じていた「違和感」
・そこから、何か貢献できるのではというアイデアにつながっていった「イメージ」
・そのイメージを具体化させていってできた「理念」
について、まとめてみます。(2023,5加筆)
教員を20年以上やりながら感じていた「違和感」
ライフスタイルに関する違和感
・子どもたちは、こんなに「勉強しなさい」とばかり言われる生活を過ごしていていいのだろうか。
・毎日、夜遅くまで勉強を「しなければいけない」という気持ちで行うことが良いことだろうか。
・生徒が授業の効果的な受け方を身につけることができれば、夜遅くまでの勉強は必要ないのではないか。
・そもそも、夜遅くの勉強は効果が薄いのではないか。人によっては、人生の満足度を下げていないか。
・部活動が終わってから、ご飯を食べて、眠い中で塾。この生活は、効率が悪いように思えてならない。大人の超過勤務みたいに、心身に負担をかけるのでは。
多くの保護者の方が抱く「不安」に関する「違和感」
・保護者の方々が、毎日「勉強しなさい」と言い続けるのは、学習に関する正しい情報提供ができていないからではないか。
・日々忙しくしておられる保護者の方々にとって、子どもの勉強を見てあげる時間というのはけっこう負担なのでは?
学習効率についての「違和感」
家庭学習の効率
・そもそも、子どもたちは、本当に必要なことに対して勉強の時間を使っているだろうか。成績をつけている立場からすると、かなりポイントがずれた勉強をしてしまっている生徒が多いと感じる。
・本当にすべき家庭学習を正しいやり方で行えば、毎日の家庭学習時間自体は相当短縮できるはず。
・大人の、毎日8時間労働という一つの基準は、物事を効率よく行うための一設定されている設定されているだろう。そのうえで、中学生の生活。中学生は毎日学校ですでに6時間は勉強してきている。だったら、効果的に家庭学習に費やせる時間は多くてせいぜい2時間、という考えにならないか。
・学校の授業の受け方をもっとみがけば、さらに家庭学習時間は短縮してもいいのでは?
・なぜ、家庭学習といえば夜や夜中なのか。できるビジネスパーソンが深夜まで残業を強いられたら、一般的にはパフォーマンスが下がってしまうだろう。でも、子供に対しては、そのようなライフスタイルを社会が「よきもの」として伝えてはいないか。大人と子供の、人間としてもっている生態的な理想のリズムは違うのか。…20年子どもたちとふれあってきたが、そうは思えない。やはり、深夜までノルマとして勉強している(させられている)子の多くは、非常に苦しそうだったし、勉強が嫌いだったし。
・学校の課題を提出しないで塾の宿題をやっていたり…。課題の未提出によって、評定が一つ落ちてしまうことがあるくらい、それくらい重要なのに。それ以上にやらなければいけない家庭学習なんてないはずなのに…。
授業の効率
・そもそも、早く寝て、いいコンディションで授業を受けられるようになれば、放課後の学習時間をもっと短縮できるのでは?
・授業時間に理解して、わからないところを即座に質問し、解決しておけば、わざわざ夜に内容をもう一度思い出して、復習しなくてもいいのに。復習するにしても、その時間は何分の一にも短縮できるのに。
やりたいこともあきらめて、点数をあげたいという考えへの「違和感」
・せっかく好きではじめたスポーツなり習いごとがあるのに、ただ勉強がうまくいかないという理由であきらめなければいけないのは、あまりにももったいない!
・大人になってから好きなことやりなさいなんて言っても、その時にやりたいことなんてないときもある。
・自分の好きなことに打ち込んで、自分の強み・弱みを知ったり、自分の輝ける場所を見つけたり、の方が、これからの時代によっぽど必要になってくると思う。
・やりたいことをやめてまで勉強にフルコミットすることで、学力が上がる、というのは、多くの場合おすすめできない。そういう子をほとんど見たことがない(おそらく現場の先生方の多くの方との共通認識)
・学力に対する漠然とした不安に駆られて、「好きなことに思い切り打ち込む」ことをあきらめることしたら、重大な選択ミスではないだろうか?
教員時代の違和感から生まれた「やりたいこと」のイメージ
イメージが連鎖していき、形になっていった
・勉強は大切、かもしれないが、あまりにもそこばかり不安をあおっていないか。学校の勉強は大切とはいっても、果てしなく大事なものでもなく、あくまで大事なもののうちの一つにすぎない。2000年代に担任をしていた卒業生たちが今30代中盤にさしかかっている。今のあの子たちをみて思う。学力以上に、自分の強みや良さを磨いていった子たちがそれぞれの分野で活躍し、楽しそうに生活している。そのことを思うとき、自分探しの時間を削ること、いたずらに勉強の不安をあおることはよくない。多くは善意から「勉強しなさい」という声かけがされるのは承知の上でいうが、
「何から」「いつ」「どのくらい」「どのように」やっていくかは体系的に教えられてはいない。
そのことを教えられるノウハウはある。学習の不安から子どもたちや保護者の方を解放したい。
そして、学校の勉強だけでなく他のさまざまな通して通して、自分の強み、良さに気づいていってほしい!そういう世の中こそ健全な世の中だと考えている。
自分は
・学校の成績の付け方が分かり、
・子どもたちの成長の仕方を何百何千人と見てきており、かつ、
・学校の組織にしばられず自由に情報発信できるもの。
希少な存在になれたわけだから、その立場になれたもののミッションとして
「勉強に過剰に心配せず、好きなことに打ち込めるライフスタイルを得るためのお手伝い」がしたい!
子どもたちや保護者の方に、次のことも伝えたい。
・仮にテストの点数が伸びなくても、その他の部分で評価する仕組みをできるだけ学校は準備している。テストの点数がとれないから、勉強していない、努力が足りない、ということではない。
・努力していても、方向性が違ったら結果は出ない。方向性が合っていても、「ペーパーテスト」という形式自体がもともと苦手な子だっている。足の速い子も、足の遅い子もいるのと同じ。
・世の中が「点数主義」であるばっかりに、点数がとれない、それも「紙に書く」「紙から読む」が苦手だ、というだけで自己肯定感を下げられている子たちがあまりにも多すぎる。
・最高効率で勉強できていて、成績が上がらないなら、それ以上思い詰める必要なんかない。
結果が出てくるのは、やり始めて少し経ってからが多い。でも、中には、この「ペーパーテスト」という形式がどうしても苦手で、点数が伸びないという場合だってある。
・だったら、できることをしっかりやれてるんだったら、もうそれ以上悩まなくていいじゃない。
・苦手なことを伸ばす以上に、得意なことを伸ばした方がいい。やってて苦にならないことを知っていた方がいい。
・やれることは、しっかりとやっている。それは続けていこう。でも、
点数が上がらないことばっかり気にしなくていい。好きなことをもっていることが、何よりの強み。そこを大事にしようよ。
学習デザインサポートの理念
・好きなことに、思い切り打ち込めるように、勉強を最高効率で終わらせる形を指導し、若い時代を大いに楽しんでもらう!
具体的には
・学習内容の補習の前に、まずはそれぞれにあった学習習慣を身につけよう。全力で手伝うよ!
・毎日の復習は部活動の前にあらかた終わらせられたら最高!
・習い事が18時ころから始まる場合は、下校後から習い事の間に家庭学習をあらかた終わらせる!
・終わらなかったものは、少なくとも寝る2時間前には終わらせる。
・正しい順序で勉強する。そのためには成績の付け方をしっかり理解してもらう。
・短く行う(目安は最長2時間。短いときがあってもいい)
・思い切り部活動・課外活動をやり、
・夜を「勉強しなければいけない」という気持ちで過ごすことなく、
・夜ご飯を食べたらゆったりする。
・夜は好きなことをやる時間に充てる。
・楽しい夜を過ごしたら、早めに寝られる。
・寝る前には、今日一日の楽しかったことを振り返り、人生の満足度を高める。
・朝は自然に目が覚めて、活力に満ちた朝から楽しい一日が始まる!
そうすることで
・日々の満足感も上がり、
・自分の好きなことに打ち込む中で自己理解が促され
・勉強のことを気にしすぎなくなり
子どもたちはより幸せになる!
まとめ
私はこのアイデアに自信をもっています。2022年9月からはじめた活動は、マイナーチェンジを繰り返しながら、一貫した理念のもとで活動してきました。成績向上も多くの生徒が成し遂げてくれましたが、もしかしたらそれ以上に嬉しいのは、
「勉強のことを以前より心配しなくなった」「勉強することがイヤではなくなってきた」「遊ぶ時には遊びに集中できるようになった」「部活をやめなくてもよくなった」「毎日がより楽しくなった!」という声です。
そういった声を自信として、今後も、小中学生、および保護者の方々 に対してより幸せになってもらう手助けをしたい、と考えています。
そのうえで、個人的にとても気に入っている自分自身のスタンスがあります。それは、
「サポートが必要なくなったら、卒業しよう!」というスタンスです。
究極、どこにも通わず、お金を払わずに楽しく勉強できるのが一番。
学習サポートは、そこまでの道筋を一緒に探す伴走者。
自走できるようになったら、自分でやってみる経験もとても大事!
また話を聞いてみたくなったらちょっと来たらいい。
「もう自分でできるかもしれないから、ちょっと自分一人でやってみます!」の声も、非常に嬉しい声の一つ!もちろん、「またちょっと、一緒に勉強したいです」も歓迎。続けたり、やめてみたり、気軽にできた方がいいよね!
もちろん、この方法が、勉強に対する価値観が「合わない」とお感じのときは、気軽に退会してもらえたら嬉しいです。試してくれただけでも、話しを聞いてもらえただけでも、非常に嬉しいことです。気軽にそういえるような気軽さも感じてもらえるようにしておきたい。そういうスタンスも大切にしたいです。
営利至上の発想から脱却することで、「意義を感じてもらえたときにのみきてもらう」ということに対して純度の高い活動をしたい。そんなことも思っています。
今回は、立ち上げ当初の理念を記しておきました。
今後も、初心を大切にしながら、子どもたちの学習サポートに取り組んでいきたいと考えています。
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